子どもたちの「成長したい思い」を
日々の関わりの中で感じ取り、支えていきます。
日々、子どもたちに接していると
「子どもたちはなんと、寛大で、優しい存在なのだろう」
と感じます。
子どもの世界は大人の世界とは異質です。けんかをしても恨み続けたりしません。子どもは「今」を生きています。過去の複雑なしがらみや、未来への不安など微塵もないのです。「今」を誠実に生きているのです。
ですから純粋に、自分の感情を「今」表現できるのです。素直であればあるほど、友だちとぶつかることになるでしょう。でもそれは、その瞬間で消化するとても純粋な関わり合いなのです。
どの子どもたちも、自立への強い願望を持っています。それは、自分の力で生きようとする生命力の表れでもあります。この生命の力と自立の願望を受け止めて、私たち大人は引き下がっていなければなりません。大人はつい、子どもを助けてあげようと、口を出してしまったり、代わりに手を出してしまったりしがちです。それでは、せっかくの自立の芽を摘んでしまいます。
私たちは、子どもの自立への援助者であることを意識したいものです。
子どもたちは「自分を成長させたい」と願っています。この子どもたちの思いを日々の関わりの中で、動きや言葉、そっとささやくつぶやき等で、感じ取っていく感性が必要です。そのためには、子どもたちの生きる力を信じることしかありません。
子どもたちが求めているのは、ぜいたくな催し物や、高価な物ではなく、成長へと駆り立ててくれる成長の対象です。失敗を受け止めてくれる寛大さ、自分を丸ごとに出せる関わりの中にある雰囲気と援助です。
そして大人は、笑顔と希望を子どもたちにプレゼントしたいものです。未来への大きな希望ではなく、「今」の瞬間を大切にしている小さな希望で十分です。そうすれば、子どもたちは喜びと共に、いっそう成長へと駆り立てられていくでしょう。
子どもたちの成長に大切な「今」に欠かせない環境とともに、さまざまな経験をともに味わいながら、一人ひとりの未来へとつなぐ場所が金沢白百合幼稚園の有り方だと考えています。